お風呂に入れない時の体を拭く方法 お手軽ver.【ヘルパーが教えるお家でできる介護術】

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2022/7/29 加筆修正

こんにちは。
オチャノマ文具店の介護福祉士ちょこです。

お家で寝たきりの方、風邪をひいたり怪我をしてお風呂に入れないとき、体を拭いて清潔を保つという方法があります。

今日はわたしたちヘルパーが実際に利用者さん宅で行っている体の拭き方(短時間でできるお手軽ver.)をご紹介します。

お家にあるもので誰でもできる方法です。


お家で全身をしっかり拭く方法はこちらで紹介しています↓
お風呂に入れない時の体を拭く方法 座れる人の全身ver.

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清拭(せいしき)の目的と効果

温かい濡れタオルで体を拭くことを、わたしたち介護士は清拭(せいしき)と呼びます。

様々な理由で入浴ができないとき、手や顔を洗えないときに、体の清潔を保ち、さっぱりした気持ちになってもらえるようにおこないます。

入浴や足湯ほどではありませんが、温かいタオルを当てたり体に触れることで血行が良くなる効果もあります。

また、床ずれ(褥瘡)や出来物、内出血など体の変化を見つける貴重なボディチェックの機会でもあります。

10年以上介護の仕事に携わってきて、寝たきりでも、体が動かせなくても、食事が摂れなくなっても、最後まで「気持ち良い」と感じてもらえるのがこの「清拭」だと思っています。

ただ体を拭く、というだけのことですがちょっとした気遣いで気持ち良さが格段に変わりますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

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やり方 お手軽ver.

お家でできる基本の清拭のやり方を見ていきましょう。

今回は顔だけ、とか、手だけ、足だけ、という風に部分だけ短時間で清拭を行うときの手軽な方法をご紹介します。

用意するもの

いつも使っているタオルでOKです。
ビニル袋はスーパーで野菜などを入れるような、小さいもので大丈夫です。

準備

ベッドで寝ている方を拭く場合は、布団や枕が濡れないようにあらかじめ拭く体の部位の下にバスタオルなどを敷いておきます。

寒い季節は少し暖房の温度を高めに設定して、お部屋を暖めておきましょう。
布団をめくって腕や足を出すだけでも、寝ている人にとってはけっこう寒いものです。


タオルの1枚は乾いたままでとっておきます。
ビニル袋の口は軽くねじって下側に入れ込んでおくとよいです。

電子レンジでチンする時間はワット数やタオルの厚さによってやや違ってきますが、タオル1枚につき大体1分前後だと思ってください。

ほっかほかになるくらいが理想です。
(かなり熱いので、火傷に注意!)

できた温タオルは冷めるのを防ぐため、拭く直前までは袋に入れたままにしておきましょう。

温タオルの適温

温タオルは拭く直前になったら袋から取り出し、広げたりとじたりしてバフバフして適温に冷まします。

けっこう熱い方が気持ち良いです。
火傷するほど熱くなく、しかし冷まし過ぎず、という絶妙なところを狙って。

手のひらは丈夫にできているので熱さを感じにくい場所。
温タオルの温度は腕の内側で確認するとよいです。

人によって温度の感じ方に違いがあるので、意思表示ができる場合は本人に熱くないか聞いてみるのがいちばんいいですね。

拭き方

基本は、こするのではなく、タオルで包み込んで温めるという感じ
強くこすらなくても蒸気で皮脂や汚れがタオルに移ります。

チンして作った温タオルで最初に拭いて、その後すぐに乾いたタオルで水気を拭き取ります。

皮膚上に水気が残っているとかえって体を冷やすことになるほか、べたべたして気持ち悪くもなります。お風呂のあと拭かずに出てきたのと同じようなことですね。

少しことですが、すごく大事なポイントです。

顔はタオルで包む、というわけにはいかないので、小さくたたんだ温タオルで押さえるようにして位置を変えながら拭いていきます。目を拭いたら、タオルの面を変えて頬を拭く、というように場所を変えるときには折り返して面を変えていきます。
こうすることでいつも綺麗な面で、かつ、温かい面で清拭することができます。


顔を拭くときのポイントは2つ

・目元は目頭から目尻の方向に拭いていくこと。
また、右目と左目はタオルの面を変えて拭くことで、右目の眼病が左目に移る、なんてことを防ぎます。

・顔の中心から外側に向かって拭いていくこと。
化粧水やクリームもそうやって塗りますよね。こうすることで血行(や多分リンパの流れとかも)が良くなります。

顔だけは乾いたタオルで拭かなくてもOK。

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拭くと気持ちいいところ

わたしがいちばん気持ち良いと思っているところが、首回りと耳の後ろ。

下の絵のようにタオルを細長くして、耳からあごの下まで一気に温めるとめちゃくちゃ気持ち良いです。耳は、タオルで全体を包むようにします。

受けている人の頬がピンク色になって、「ほぅ~っ」と息が深くなったら成功!(だと思っている)

手早く乾いたタオルで水気を拭き取って不快感が残らないようにしてあげましょう。


手のひらや足は、全体を包んでしばらくキープ
温かいタオルで足を包まれるとものすごく幸せです。

最後に指の間を一本一本拭いてあげます。
体の末端である指を動かすと、体全体の血行改善にもなりますし何より気持ちいい。

ただし、指を広げると痛みが出る方の場合は無理せず、タオルだけを指の間に通すような感じでゆっくりやってみましょう。

手足も最後に乾いたタオルで水気を拭き取ります。

お手軽清拭お助けアイテム

使い捨てタイプの清拭用タオルを使って、もっと手軽に清拭をすることもできます。

体用のタオルはおしり拭きよりも厚手で大判サイズになっていて、しっかり拭くことができます。


夏場はベッドに寝ていると、下になっている背中や首回りに汗をかきやすくなります。

気付いたとき、1日に何度でもさっと拭いてあげることができるので常備しておくと便利なアイテムです。
ドラッグストアやネットでも購入できます。

ハビナース からだふき 公式HP

ライフリー からだふき 公式HP

アテント からだふき 公式HP

寒い冬は、使い捨てタオルだと冷たくてちょっと辛いですね。

温めて使える使い捨てタオルもあるので、季節によって使い分けるのもおすすめです。

アテント からだふき 公式HP

アクティ からだふき 公式HP

各社の公式HPには、わかりやすい使い方や清拭のやり方が載っていますのでそちらも参考にしてみてください。

手軽でも気持ちいい

数年前、他界する直前の家族が入院中、何度かお見舞いに行く機会がありました。

食事を摂らせてあげることもできず、点滴が繋がっていてやたらと動かすわけにもいかない、会話もままならない状態で、できることがほとんどない中、洗面所を借りて温タオルを作り、手や顔の清拭をしてあげました。

足を拭いているときに顔見ると、気持ちよさそうな顔。
この時ほど「ヘルパーやってて良かった」と思ったことはありません。


清拭は誰にでもできます。
ちょこっと顔を拭くだけですごくさっぱりします。
わたし自身、朝は洗顔の代わりに毎日チンした温タオルで顔を拭きます。
めっちゃ気持ちいいです。

今回はヘルパーの現場で培った清拭のエッセンスをできるだけ詰め込みました。

清拭お手軽ver.を紹介するにあたっては、現在お家でご家族の介護をしているような方へ「時間や労力をかけなくても、無理しなくても、こんなに手軽でもいいんですよ」というメッセージを込めたつもりでもあります。

家族の為に、自分の為に、毎日の生活に、少しでも参考になれば幸いです。

あとあと、
そのやり方間違ってるよ!もっとこんな方法もあるよ!なんてご意見があれば、ぜひお待ちしています。

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